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トールキン 旅のはじまり

STORY

部下が止めるのも聞かず、「友人を捜す」と塹壕をふらふらとさまようジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン(ニコラス・ホルト)。1916年、第一次世界大戦が激化する中、フランスのソンムの戦いで消息を絶った親友のジェフリー・スミス(アンソニー・ボイル)の姿を求めて力尽きたトールキンは、戦地に横たわり過去に想いを馳せる。

幼い頃に父を亡くしたトールキン(ハリー・ギルビー)は、母と弟のヒラリーと美しい自然に囲まれた英国のセアホール・ミルに暮らしていた。生活は苦しかったが、母は想像の翼を広げて物語を創作し、心を豊かにする術をトールキンに教えてくれた。だが、その母もトールキンが12歳の時に逝ってしまう。
母の友人のフランシス・モーガン神父(コルム・ミーニイ)が後見人となり、フォークナー夫人(パム・フェリス)の家に下宿しながら、キング・エドワード校に通うことになる。だが、奨学生で孤児のトールキンは孤立していた。
きっかけこそはケンカだったが、トールキンはそこでかけがえのない絆を結ぶ3人の少年と出会う。厳格な校長の息子で画家志望のロバート・ギルソン(アルビー・マーバー)、劇作家を目指し詩作にも長けたジェフリー・スミス(アダム・ブレグマン)、すでにクラシック音楽の作曲家として1曲出版しているクリストファー・ワイズマン(タイ・テナント)だ。バロウ・ティールームに入り浸り、お茶を飲みながらあらゆることを議論する4人は、自分たちの集まりを秘密クラブ〈T.C.B.S.〉と名付け、彼らから刺激を受けたトールキンは、物語の創作力と絵の才能を磨き上げていった。
もう一つの素晴らしい出会いは、同じ家に下宿しているエディス・ブラット、コンサートピアニストを目指して勉強中の3つ年上の女性だ。孤児という境遇や、物語といたずらが好きという共通点を持つ二人は、すぐに惹かれ合い絆を深めていく。

時は流れ、T.C.B.S.のメンバーたちは大学受験に向って励まし合っていたが、トールキンはオックスフォードの入試に失敗し、後のないトールキンは神父から21歳になるまで、エディス(リリー・コリンズ)との交際を厳しく禁じられてしまう。トールキンはエディスに、「何があろうとも二人の将来を諦めない」と約束するが、エディスは「きっと忘れる。あなたが思うより早く」と寂しそうに告げ、「あなたは幸せになって」と去って行くのだった。
トールキンは無事にオックスフォード大学に合格するが、奨学金の打ち切りがせまり、エディスが他の男性と婚約したことを知る。だが、どんな困難にぶつかっても、T.C.B.S.のメンバーが支えてくれ、言語学のジョセフ・ライト(デレク・ジャコビ)教授という理解者も現れた。しかし、トールキンの才能が大きく花開こうとしたその時、第一次世界大戦が勃発し、彼らの運命を大きく変えるのだった。

そして今、戦場で「ジェフリー!」と友の名を叫ぶトールキン。果たしてトールキンは、大切な仲間や最愛の人と、再び笑顔で会うことは出来るのか──?