THREE BILLBOARDS

アメリカの片田舎の大通りに並ぶ3枚の看板に、
ある日突然、現れた真っ赤な広告。
それは、地元で尊敬されている警察署長への
抗議のメッセージだった──。
アカデミー賞Rの作品賞への最短距離として近年特に注目されている、トロント国際映画祭観客賞受賞。先に開催されたベネチア国際映画祭でも脚本賞に輝き、早くも本年度賞レースの大本命との呼び声も高い話題作がいよいよ日本にも登場する。

舞台は、アメリカのミズーリ州。田舎町を貫く道路に並ぶ3枚の広告看板に、地元警察を批判するメッセージを出したのは、7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッド・ヘイズ。何の進展もない捜査状況に腹を立てたミルドレッドがケンカを売ったのだ。町の人々から嫌がらせや抗議を受けても、一歩も引かないミルドレッド。その日を境に次々と不穏な事件が起こり始め、町に激震が走るなか、思いがけない展開が待ち受ける──。

アカデミー賞R受賞の実力派スタッフ&キャストの会心のコラボレーションで放つ、世界が待ち望んだ、これぞ重量級の本物の映画ミルドレッドに扮するのは、アカデミー賞Rに4度ノミネートされ、『ファーゴ』で主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンド。ジャンプスーツとバンダナという“戦闘服”に身を包み、全身で怒りのエネルギーを放射し続けるミルドレッドを決然と演じきった。爽快なほどの毒舌でブラックなユーモアを散りばめる一方で、娘を守れなかった悲しみと後悔を繊細に表現するなど、様々な感情の芯を捉えた演技で観る者を圧倒する。

共演は、『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』のウディ・ハレルソン。愛妻家で良き父で人望厚いが、人生の終止符の打ち方に悩む署長を魅力的に演じた。さらに、トラブルメイカーのディクソン巡査役には、『コンフェッション』でベルリン国際映画祭男優賞を受賞したサム・ロックウェル。人種差別主義者でマザコン、バイオレンスでしか自分を表現できない教養に欠けた男が、ある事件をきっかけに変わっていく姿を味わい深く演じた。

その他、ミルドレッドの元夫に『ウィンターズ・ボーン』のジョン・ホークス、息子に『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズ。
監督・脚本は、劇作家としてその才能を遺憾無く発揮し、映画界でもアカデミー賞R短編賞を獲得。その後も同賞脚本賞にノミネートされるなど早くから卓越した才能を認められ、本作で未来の映画界を担う一人となることを決定づけた、イギリス出身のマーティン・マクドナー。心をかき乱す音楽は、『キャロル』でアカデミー賞Rにノミネートされたカーター・バーウェル。

各々の大切なものを守るために、予想もしない道へと外れていく大人たちをダークなユーモアを潜ませて熱く切なく描き、観る者を途方もない結末へと連れ去るクライム・サスペンス。