INTRODUCTION

誘惑と心理戦を武器に女スパイ〈レッド・スパロー〉が国家に仕掛けた最大の罠〈ハニートラップ〉アカデミー賞®女優ジェニファー・ローレンス演じるスパイ映画史上最大の誘惑にあなたは耐えられるか?

 過去のどんな映画でも見たことのない、壮絶な運命をたどる女スパイ。そして過去の常識を超え、若くしてハリウッドのトップに登り詰めた、アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンス。キャラクターと女優の奇跡的な出会いを実感させるのが、この『レッド・スパロー』だ。
 バレリーナとしての将来が断たれ、意志に反してスパイとしての道を歩むことになったドミニカ・エゴロワ。彼女の最大の武器は、相手を誘惑し、その欲望をコントロールする巧みな心理操作だ。まさに、ハニートラップの究極技! ロシア政府から最重要任務を任されたドミニカが、米露両国も手玉に取る、信じがたい罠を仕掛けることに―。知力と勇気、決断力と美しさ。そのすべてを最大限に発揮するドミニカの姿に、ハリウッドをサバイブし、無敵の存在となったジェニファー・ローレンスを重ねずにはいられない。
 ベストセラーの原作を書いたのは、33年間CIAで工作員として活動したジェイソン・マシューズ。現場の人間しか知り得ないスパイ活動の実態や裏テクニックが盛り込まれたストーリーは、要所でサプライズと衝撃を用意する。監督は『ハンガー・ゲーム』シリーズ3作でジェニファー・ローレンスと組んだフランシス・ローレンス。監督との厚い信頼感が、ジェニファーから大胆かつ過激なパフォーマンスを引き出したと言える。
 共演は、『ブラック・スキャンダル』など話題作への出演が続き、監督や脚本家としての才能も発揮するジョエル・エドガートン。さらにジェレミー・アイアンズ、シャーロット・ランプリングと、オスカー受賞者・候補者の実力派キャストが顔を揃える。
 スパイ映画史上でも類をみないほど、セクシーでパワフル、謎めいたヒロイン。そして一瞬先も読めない展開によって、あなたもきっと、彼女=〈レッド・スパロー〉の誘惑に操られ、騙されるのは確実。観る者の予想を軽々と超える鮮烈なキャラクターとストーリーに、ラストまで目が離せない!

STORY

再起不能となったバレリーナの選択肢は、死かロシア諜報機関の女スパイ=スパローとなること欲望のパズルを紐解きターゲットを操る国家の武器となった女スパイが仕掛けた危険な罠〈ハニートラップ〉の結末とは?

 ステージでの大ケガによって、ボリショイ・バレエ団での地位を失ったドミニカ・エゴロワ。そんな彼女に手を差し伸べたのは、ロシア情報庁の幹部である叔父のワーニャだった。病気の母親の治療費を工面するため、ドミニカはワーニャの指示で、スパイ=〈スパロー〉の養成学校へ送られる。標的を誘惑し、心理操作するテクニックを学んだドミニカは、その才能を買われ、ロシア情報庁の上層部に潜む、アメリカとの内通者を探り出す任務を任されることになった。モスクワからブダペストへ動いたCIA捜査官、ネイト・ナッシュに接触したドミニカは、彼から内通者の正体を聞き出そうとする。ハニートラップでネイトの心をとかしていくドミニカ。しかし二人の関係は立場を超えた複雑なものになっていく。そして、その任務はドミニカを想像も超える運命に導き、彼女は敵国アメリカのみならず、祖国ロシアからも狙われることに…。窮地に立たされたドミニカが大国を相手に仕掛けた最大のトラップ=罠とは!?

【スパローの心得】❶ ターゲットの欲望を見抜け❷ 自らの全てを使いターゲットを堕とせ❸ 心を捨て国家のために道具となれ

CAST

  • “私は特別よ”もう一度特別になりたい

    ジェニファー・ローレンス

    1990年、米ケンタッキー州出身。TVドラマで女優のキャリアをスタートさせ、『あの日、欲望の大地で』(08)でヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。『ウィンターズ・ボーン』(10)でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。一気にトップスターの地位を獲得する。『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)からの同シリーズ3作でミスティーク役を演じ、『ハンガー・ゲーム』(12)に始まる同シリーズ4作で主演を務めた。デヴィッド・O・ラッセル監督の『世界にひとつのプレイブック』(12)でアカデミー賞主演女優賞を受賞。同監督の『アメリカン・ハッスル』(13)では同助演女優賞に、『ジョイ』(15/日本劇場未公開)では同主演女優賞にノミネートされた。そのほか、『パッセンジャー』(16)、『マザー!(原題/日本劇場未公開)』(17)などに出演。『X-MEN:ダーク・フェニックス(原題)』が公開を控えている。

    【ドミニカ・エゴロワ】Russia

    名門ボリショイ・バレエ団のトップダンサー。本番中に脚に大ケガを負い、バレエの道を断念。重病をわずらう母親の治療費のために、スパイの養成機関へ行くことを余儀なくされる。激情的な一面もあるが、どんな過酷な状況にも冷静沈着に対応する能力がある。養成機関でスパイのテクニックや心理操作を学び、「スパロー」と呼ばれるスパイの条件をクリア。CIAのナッシュに接触する任務によって、さらなる過酷な運命に巻き込まれていく。

    CAST PROFILE
    CHARACTER PROFILE
  • 俺たちは人を使い捨てにはしない

    ジョエル・エドガートン

    1974年、オーストラリア、ニューサウスウェールズ州出身。『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)でルークの伯父オーウェン役に抜擢され、続く『スター・ウォーズエピソード3/シスの復讐』(05)にも出演。『キング・アーサー』(04)、『キンキーブーツ』(05)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)、『華麗なるギャツビー』(13)、『エクソダス:神と王』(14)、『ブラック・スキャンダル』(15)、Netflixの『ブライト』(17)など数多くの話題作への出演が続く。『ラビング愛という名前のふたり』(16)ではゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)にノミネート。脚本家としても『ディスクローザー』(13/兼出演)、『奪還者』(15)、『ジェーン』(16/兼出演)で活躍。『ザ・ギフト』(15)では長編監督デビューを果たし、脚本と出演も務めた。

    【ネイト・ナッシュ】USA

    表向きはアメリカの商務参事官としてロシアに滞在している、CIAの捜査官。ロシア情報庁の「情報源」と密かに通じている。その内通者をおびき寄せるためにブダペストへ異動。そこで出会ったドミニカに惹かれていく。

    CAST PROFILE
    CHARACTER PROFILE
  • 母親は治療を続けられる君が国家に貢献すればな

    マティアス・スーナールツ

    1977年、ベルギー出身。主演を務めたベルギー映画『闇を生きる男』(11)がアカデミー賞外国語映画賞にノミネート。その後、マリオン・コティヤールと共演した『君と歩く世界』(12)で世界的に注目される。その他の代表作は『リリーのすべて』(15)、『胸騒ぎのシチリア』(15)など。出演したベルギー映画『ロフト.』(08)では、オランダ版の『LOFT -完全なる嘘-』(10)、ハリウッド版の『パーフェクト・ルーム』(14)と、それぞれのリメイクにも出演。

    【ワーニャ・エゴロフ】Russia

    ドミニカの叔父で、ロシア情報庁の幹部。ドミニカをスパイの養成機関へ送り込む。ドミニカに、CIAナッシュに近づき、ロシア情報庁内の内通者を探る任務を与える。

    CAST PROFILE
    CHARACTER PROFILE
  • 人間の欲望はパズル欠けたピースを見抜き埋めてやれば―相手を操れる

    シャーロット・ランプリング

    1946年、イギリス、スターマー出身。『地獄に堕ちた勇者ども』(69)などに出演した後、『愛の嵐』(74)の演技が話題を呼ぶ。大島渚監督の『マックス、モン・アムール』(86)に主演。近年は『まぼろし』(00)、『スイミング・プール』(03)、『17歳』(13)と、フランソワ・オゾン監督作で活躍。『さざなみ』(15)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。その他の出演作は『さらば愛しき女よ』(75)、『ある公爵夫人の生涯』(08)、『アサシン クリード』(16)など。

    【監督官】Russia

    ハニートラップ・スパイの教官。生徒たちへの過激な指導もいとわない。アメリカなど旧西側諸国の堕落を批判し、ロシアが絶対国家であると生徒に教える。

    CAST PROFILE
    CHARACTER PROFILE
  • ブダペストで―このCIAを捕らえ情報を聞き出せ

    ジェレミー・アイアンズ

    1948年、イギリス、ワイト島出身。ロンドンのロイヤル・シェークスピア・カンパニーで舞台に立ち、『ニジンスキー』(80)で映画デビュー。『戦慄の絆』(88)の双子2役などを経て、『運命の逆転』(90)でアカデミー賞主演男優賞に輝く。『ダメージ』(92)、『ダイ・ハード3』(95)などに出演。近年は『アサシンクリード』(16)などのほか、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)と『ジャスティス・リーグ』(17)でバットマンの執事アルフレッド役を演じる。

    【コルチノイ】Russia

    ロシア情報庁の有力幹部。ワーニャの上司でもある。ワーニャとともにドミニカの任務を監視する。暗躍するCIAを警戒しているようだが、その言動は謎めいている。

    CAST PROFILE
    CHARACTER PROFILE

STAFF

監督:フランシス・ローレンス 1971年、オーストリア、ウィーン出身。幼少時にロサンゼルスへ移住。ミュージック・ビデオの監督として、ブリトニー・スピアーズ、レディー・ガガ、ジャスティン・ティンバーレイク、ビヨンセなど人気アーティストの作品を手がける。映画はキアヌ・リーブス主演の『コンスタンティン』(05)で監督デビュー。その後、ウィル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』(07)、『恋人たちのパレード』(11)を監督。『ハンガー・ゲーム2』(13)、『ハンガー・ゲームFINAL:レジスタンス』(14)、『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』(15)と、ジェニファー・ローレンスを主演に迎えた大ヒットシリーズの3本で監督を務めた。TVシリーズ「TOUCH/タッチ」(12〜13)には監督・製作総指揮で参加。
  • 原作:ジェイソン・マシューズ 33年にわたるCIA作戦本部勤務で、いくつもの海外赴任地で国家安全保障に関する情報収集活動に携わる。敵の監視が厳しい地域での工作活動が専門。さらに旧ソ連や東欧、東アジア、中東、カリブ諸国を標的にしたリクルート活動も指揮した。CIA退職後、作家デビュー。「レッド・スパロー」で2014年のエドガー賞でアメリカ人著者によるベスト・ファースト・ノベル賞を受賞。本作ではコンサルタントを務めた。
  • 脚本:ジャスティン・ヘイス 『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(09)で英国アカデミー賞脚色賞にノミネート。『二重誘拐』(04)、『オーバードライヴ』(13)、『キュア〜禁断の隔離病棟〜』(16)で脚本を、『ローン・レンジャー』(13)では原案と脚本を担当した。今後の作品では、フレディ・マーキュリーの人生を描く『ボヘミアン・ラプソディー(原題)』で脚本を手がけている。
  • 製作:ピーター・チャーニン 1951年、米ニューヨーク州出身。ザ・チャーニン・グループのCEOとして多くのヒット作を製作。代表作は『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(11)、『オブリビオン』(13)、『エクソダス:神と王』(14)、『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(14)、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(16)、『ドリーム』(16)、『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(17)など。
  • 製作:スティーヴン・ザイリアン 1953年、米カリフォルニア州出身。『コードネームはファルコン』(85)で脚本家デビュー。『ボビー・フィッシャーを探して』(93)で監督業にも進出。『シンドラーのリスト』(93)でアカデミー賞脚色賞を受賞。『レナードの朝』(90)、『マネーボール』(11)で同脚色賞ノミネート。『ギャング・オブ・ニューヨーク』(01)で同脚本賞にノミネートされた。脚本と製作総指揮を務めた作品は『アメリカン・ギャングスター』(07)、『ドラゴン・タトゥーの女』(11)など。
  • プロダクション・デザイナー:マリア・ジュルコヴィック 『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(14)でアカデミー賞美術賞にノミネート。プロダクション・デザイナーとして関わった主な作品は、『スライディング・ドア』(98)、『リトル・ダンサー』(00)、『めぐりあう時間たち』(02)、『ウディ・アレンの夢と犯罪』(07)、『マンマ・ミーア!』(08)、『裏切りのサーカス』(11)、『ゴールド/金塊の行方』(16)など。
  • 撮影監督:ジョー・ウィレムズ ベルギー出身。撮影監督としての代表作は、『ハード・キャンディ』(05)、『30デイズ・ナイト』(07)、『リミットレス』(11)、『ハンガー・ゲーム2』(13)、『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』(14)、『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』(15)など。TVシリーズでは「アメリカン・ゴッズ」(17)などを手がける。
  • 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード 1951年、米ロサンゼルス出身。『逃亡者』(93)、『ベスト・フレンズ・ウェディング』(97)、『ヴィレッジ』(04)などで、これまでアカデミー賞作曲賞に8回のノミネート。その他の代表作は『プリティ・ウーマン』(90)、『キング・コング』(05)、「ハンガー・ゲーム」シリーズ4作(12〜15)、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(16)など。
  • 編集:アラン・エドワード・ベル 編集を手がけた主な作品は、『ストーリー・オブ・ラブ』(99)、『(500)日のサマー』(09)、『ガリバー旅行記』(10)、『恋人たちのパレード』(11)、『アメイジング・スパイダーマン』(12)、『ハンガー・ゲーム2』(13)、『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』(14)、『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』(15)、『ダークタワー』(17)など。
  • 衣裳デザイナー:トリッシュ・サマービル 『ゲーム』(97)、『17歳のカルテ』(99)などに衣裳デザインのアシスタントで関わった後、衣裳デザイナーとして『ドラゴン・タトゥーの女』(11)、『ハンガー・ゲーム2』(13)、『ゴーン・ガール』(14)、『ダークタワー』(17)などを担当。TVシリーズの「ウエストワールド」(16)でエミー賞にノミネートされた。

STORY

元CIA捜査官 原作者ジェイソン・マシューズが語る 女スパイ=〈スパロー〉の実態

 “レッド・スパロー”の著者であるジェイソン・マシューズは、33年に渡ったCIA勤務を終えた時、退職後に何もしないでいることには満足できないと思った。時間がたくさんできたマシューズは、自分の人生の第二幕のために執筆を始めた。「CIAでの仕事は、非常に多忙で、何もしない生活とのギャップは大きかった。」マシューズが、CIA退職後の生活に慣れるまでを振り返って語る。「結局、デイトレーディングをするか、魚釣りに行くか、散歩にいくかのどれかしか選択肢はなかった。物を書くことは何はともあれ、良いセラピーになった。」ジョン・ル・カレとイアン・フレミングのファンだった彼は、“レッド・スパロー”を執筆、これは2013年に出版されてベストセラーとなり、シリーズ第2弾の“Palace of Treason”、これから出版される“The Kremlin’s Candidate”を含む3部作の土台となった。
 レッド・スパローの世界はマシューズが経験によって知っていた世界だったが、作品の中心人物は彼が考え出したキャラクターだ。映画ではジェニファー・ローレンスが演じるドミニカ・エゴロワはひどい事故により、ボリショイでのキャリアをあきらめ、国家が運営する‘ハニー・トラップ’スパイの訓練施設に無理やり送り込まれる。「本に登場する他の人物とは違い、ドミニカは主に想像で作り出した」マシューズが語る。「私はドミニカのような人に会えればよかったと思っている。彼女はバレエ界でキャリアを踏み出すが、そこを辞めざるを得なくなる。その後、彼女は無理やり、スパローの訓練施設に送られる。」
 マシューズは、CIA勤務中に実際のドミニカに出会うことはなかったかもしれないが、“ハニー・トラップ”スクールは、事実、ソ連のスパイ養成項目の一部になっていた。「ソ連では、ターゲットの捜査官をゆするため、若い女性に人を罠にかける方法や、誘惑方法を教えていた。」マシューズが語る。「ヴォルガ川の岸辺、カザン市にスパロー・スクールがあった。そこでは若い女性に高級娼婦になる方法を教えていた。彼女たちは‘スパロー’と呼ばれていたんだ。」

『レッド・スパロー(上・下)』ジェイソン・マシューズ/山中朝晶・訳ハヤカワ文庫NV
PAGE TOP