1883年、「ワゴン・リ社」によってパリとコンスタンティノープル(イスタンブール)間で運行が始まった。ミュンヘンやウィーン、ベオグラードを経由、ヨーロッパを横断する豪華寝台列車。その後、フランスの北端の町、カレーが西側の起点となり、アテネ行きやルーマニア方面行きも運行された。さらに他の寝台列車会社による別ルートの路線も「オリエント急行」と名乗り、いくつもの列車が運行されていた。
東洋の絨毯やマホガニー調のインテリア、革張りの椅子、ベルベットのカーテン、豪華な家具調度などが特徴的で、第二次世界大戦前までは上流階級や外交官、富裕層の乗り物だったが、戦後は観光列車として一般化していった。パリとイスタンブールを直通で結ぶオリエント急行は、1977年に運行を終了。その後、パリ?ウィーン間などは細々と運行していたが、2009年に定期列車は完全に廃止。
1982年に運行開始した、ロンドンからパリ経由でヴェネチアへ向かう「ベニス・シンプロン・オリエント急行」など、「オリエント急行」の名を受け継ぐ列車はヨーロッパのみならず、アメリカやインド、中国など世界各地で運行された。