1890年、イギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、やがて経済状態は悪化。お金のかからない読書、特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズに夢中になり、自身でも小説を書き始める。1914年、24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚。1920年に長編「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビューを果たす。たちまち人気作家となるが、1926年に謎の失踪事件で世間を騒然とさせる。さまざまな憶測が飛び交うなか、11日後に無事に発見された。1928年にアーチボルドと離婚。1930年には考古学者のマックス・マローワンと出会い、再婚。「そして誰もいなくなった」をはじめ、1976年に亡くなるまで、長編、短編、戯曲など100作以上を執筆。エルキュール・ポアロ、ミス・マープルなど人気探偵キャラクターを生み出し、他の作家とは異なる大胆なプロットが特徴。現在も読み継がれており、発刊数はイギリスだけで10億冊、全世界で20億冊以上と言われている。その功績によって大英帝国勲章を2度授与された。
クリスティーの作品はこれまでも数多く映画化され、『情婦』(57/ビリー・ワイルダー監督、原作は「検察側の証人」)、『オリエント急行殺人事件』(74/シドニー・ルメット監督)、『ナイル殺人事件』(78/ジョン・ギラーミン監督)などが有名。戯曲の「ねずみとり」は、ロンドンのウエストエンドで1952年に上演が始まり、現在も公演が続いている。失踪事件も『アガサ 愛の失踪事件』(79/マイケル・アプテッド監督)として映画化された。