宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない-。1979年、この印象的なキャッチコピーに誘われて映画館に足を運んだ観客は、誰もがスクリーンに映し出される信じがたい光景に息をのみ、身震いが止まらないほどの圧倒的なスリルを体感した。人類が宇宙の彼方で遭遇した未知の完全なる生命体は、それほどまでにショッキングで、人智を超えた神秘性すら漂わせていたのだ。やがてその歴史的な傑作『エイリアン』はシリーズ化され、ジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャーといったハリウッドを牽引するヒットメーカーを輩出し、今なお世界中のファンを魅了し続けている。
 このメガヒット・シリーズの創造主である巨匠リドリー・スコットが直々にメガホンを執った待望の最新作『エイリアン:コヴェナント』は、これまで謎のベールに覆われてきた“エイリアン誕生の秘密”を解き明かす物語だ。その背景となるのは、第1作『エイリアン』の20年前にあたる時代。人類の植民地となる惑星オリガエ6への移住計画のために、2000人の男女を乗せて地球を旅立った移住船コヴェナント号が、航海中に宇宙空間で大事故に見舞われる。修復作業中に奇妙な電波を受信したクルーは、発信元の惑星を調査することに。やがて事故で夫を亡くした女性乗組員ダニエルズやアンドロイドのウォルターらが降り立ったその惑星は、自然環境が地球と極めて似通っていた。しかし美しい“宇宙の楽園”のように思われた未知の惑星には、あの凶暴な生命体エイリアンをめぐる恐るべき秘密が隠されていた……。

 人類の希望を背負って宇宙への航海に出たコヴェナント号の乗組員たちが、ミステリアスな惑星を調査中に遭遇するのは、クルーの身体に寄生して産み出されるエイリアンの想像を絶する悪夢。シリーズの原点に回帰し、極限の緊張感とバイオレントなショック描写の演出に腕をふるったリドリー・スコット監督は、息もつかせぬストーリー展開の果てに「誰がエイリアンを創造したのか?」という大いなる疑問の答えを提示していく。さらに本作には、スコット監督が豊かなイマジネーションを膨らませて創出した新種のエイリアン“ネオモーフ”が初登場。観る者はその衝撃的なまでにおぞましい風貌、あまりにも獰猛な習性に背筋が凍りつくに違いない。

 また、あのオリジナル版『エイリアン』でシガーニー・ウィーヴァーが演じた航海士エレン・リプリーのDNAを受け継いだかのような主人公ダニエルズの過酷な運命からも目が離せない。『インヒアレント・ヴァイス』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で重要な役どころを演じ、ハリウッドで今最も注目を集めている女優のひとり、キャサリン・ウォーターストンが、愛する者を失った悲しみを乗り越えてエイリアンとの絶望的な闘いに身を投じていくヒロインを熱演する。そして『プロメテウス』『悪の法則』に続き、スコット監督との3度目のコラボレーションとなるマイケル・ファスベンダーが、最新型のウォルターと旧世代のデヴィッドという2体のアンドロイドを演じているのも大きな見どころ。感情や創造性のレベルが異なるアンドロイド同士の葛藤を描いたエピソードからは、このシリーズに神話的なスケール感と深みを与えようとしたスコット監督の並々ならぬ野心がうかがえる。